私達に最も身近な動物と言っても過言ではない猫ちゃん。
愛らしい姿と仕草は見ているだけで癒されちゃいますよね。
大人の猫ちゃんももちろんですが、子猫となるとまた別格の愛くるしさがあります。
ミルクを一生懸命飲む姿、コロコロ転がりながら遊ぶ姿、お母さん猫や飼い主さんにヨチヨチとついて行く姿…挙げだしたらキリがありません。
そんな可愛い子猫ですが、実は大人の猫と違って病気にかかりやすく、一度体調を崩してしまうと時には命に関わってしまうこともあるのです!
ここでは子猫がかかりやすい病気と体調不良の時に見せるサイン、病気になった時の対処法をご紹介します!
目次
子猫がかかりやすい病気とは?代表的な病気とその症状
まずは子猫がかかりやすい病気と症状についてのお話をいたします。
寄生虫症
ミルクを飲んで嘔吐したり、便秘や下痢などの胃腸症状に加えて腹部が膨らんでいるのであれば寄生虫症を疑いましょう。
原因は母猫や他の猫の糞便中にある回虫や条虫等の寄生虫卵を何らかの理由で体内に取り込んだことです。
胃腸症状を繰り返すと脱水症になってしまったり、重篤になると腸閉塞を引き起こす要因にもなりますので早めに動物病院で診察を受けましょう。
感染源となる寄生虫
- 回虫
- 条虫
- 鉤虫
- フィラリア
- コクシジウム …などなど
皮膚病
頭部や前足を痒がったり脱毛が見られた場合は皮膚真菌症やカイセン症、全身を強く痒がった場合はノミやダニが原因の皮膚炎の可能性があります。
皮膚病は伝染力が非常に高く、子猫だけではなく大人の猫にも感染します。
またいずれの皮膚病も掻きむしりすぎると化膿したり痕が残ったりしますので、早急に動物病院で処置を受けましょう。
ウイルス感染症
子猫の病気として最も気をつけなければならないのはウイルスによる感染症です。
例として子猫がかかりやすい代表的な病気をご紹介致します。
猫風邪とも言われる『猫ウイルス性鼻気管支炎(FVR)』はくしゃみや鼻水などの風邪症状に加えてドロッとした目やにが出ることが特徴です。
重症化すると発熱や食欲低下がみられ徐々に衰弱してしまうので早めの治療が必要です。
『猫伝染性腹膜炎(FIP)』は発熱と下痢や嘔吐等の胃腸症状、重症化すると腹部に水が溜まることが特徴です。
この病気は死亡率が非常に高く、1歳未満の子猫の発症率が高い上に原因や治療法も見つかっていないというとても厄介なものです。
ですが対症療法としての薬の投与や適切な栄養補給を行なうことで寛解する可能性がありますので、早急に動物病院での診察を受けてください。
ウイルス感染症にはこの他にも様々な種類のウイルスによるものがありますので、日頃から子猫の様子や体調を十分に気をつけて観察し、異常があれば速やかに動物病院で診察を受けましょう!
主なウイルス感染症猫ウイルス性鼻気管支炎(FVR)
- 猫ウイルス性鼻気管支炎(FVR)
- 猫伝染性腹膜炎(FIP)
- カリシウイルス感染症(FCR)
- 猫汎白血球減少症(FPL)
- 猫コロナウイルス感染症
- 猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ) …などなど
子猫が病気になる前の4つの予防法
子猫は大人の猫より免疫力が弱く、上記にあるような病気にかかると命に関わってしまうケースも少なくないです。
私達人間がインフルエンザの予防でマスクやうがい手洗いをしますよね。
子猫にもそうなる前の予防というのが必要なのです。
病気になる前の予防法
清潔を保つ
普段寝ている寝床やトイレ、フードの器や水入れを常に清潔にしておきましょう。
汚れものをそのままにしておいたり、排泄物を片付けずに放置しておいたりすると菌が繁殖する原因になります。
ミルクをあげている時期は使った後の哺乳瓶もしっかり消毒しておくことで感染症にかかる確率はグンと減ってきますよ!
栄養バランスの良い食事
授乳期は母乳、または粉ミルクをたっぷりと飲んでもらいましょう。
子猫の免疫は母猫の母乳や粉ミルクに含まれる成分から作られます。
母猫がいるのであれば母乳を、人工保育を行なう場合はできれば初乳を含んだ粉ミルクをオススメします。
離乳後は成猫用ではなく子猫用のウエットフードやドライフードを与えましょう。
私が人工保育で育てた子猫の場合ですが、獣医さんに相談の上で離乳後しばらくはキャットフードに粉ミルクをふりかけて栄養補給をしてあげていました。
定期的な健康診断
私達の場合も定期的に健康診断をすることで事前に病気の兆候を知ることができるように、子猫も健康診断が必要になってきます。
検便で寄生虫に感染していないか、血液検査でウイルスに感染していないか等を調べておくことは子猫だけでなく大人の猫にとっても重要なのです。
駆虫薬の投与やワクチンの接種
病気の予防として最も大事なのはかかる可能性のある病気をあらかじめ防御しておくことです。
そのために寄生虫を駆除する駆虫薬やウイルス感染を予防するワクチンを接種してあげましょう。
駆虫薬もワクチンも子猫の時に投与しておくと万が一病気になっても重篤にならずに済みます。
駆虫薬は種類や受診した動物病院にもよりますが1回あたりだいたい500円程度です。
ワクチンには3種混合ワクチンと5種混合ワクチンがあります。
3種でだいたい4000円前後、5種で7000円前後と少々高めではありますが、子猫の命を守る手立てとして最も有効なものですのでぜひ接種しておきましょう。
まとめ:予防と早期の治療が救う子猫の命
免疫力の弱い子猫を取り巻く環境は私達が思っているよりも厳しいもの。
出会ったばかりの子猫と長く暮らす、そのためには適切な予防と早期の治療が重要になってくるというのがおわかりいただけたかと思います。
守ってあげれるものなら是が非でも守ってあげたいですよね。
病気になって苦しそうな姿を見るのは飼い主さんにとって何より胸が痛むことでしょう。
私は母猫が産褥熱で母乳があげられず生まれた子猫を人工保育で育てた経験があります。
何もかも初めての経験で、ミルクをうまく飲ませてあげれなかったり、熱があって動物病院に行ってもワクチンを接種できなかったり…。
その分獣医さんに「しっかり育っていますよ」、「大丈夫ですよ」と言われた言葉は泣きたくなるほどの喜びでした。
その子達も無事に1歳になり、立派すぎるほどの大人猫に成長しました。
子猫は免疫が弱い分ちょっとしたことで体調を崩してしまいます。
その分飼い主さんがしっかりと予防して体調の変化に気をつけてあげることで、子猫は丈夫に、すこやかに育つことと思います。
もし病気になってしまっても飼い主さんがまず落ち着いて、できる限り早期に治療をしてあげてください。
大事なのは病気にならないこと、病気になっても早く治ること、そして子猫が成長していく姿をあたたかく見守ってあげること。
もしかすると飼い主さんの愛情も子猫を病気から遠ざけれるひとつのお薬なのかもしれませんね♪