堂々とした体躯を包み込む、うっとりするほど豪華なダブルコート……。
ロシアンブルー、コラットと共に「ブルー御三家」の一匹に数えられるシャルトリューは、
元大統領のシャルル・ド・ゴールや、詩人ボードレール、新進気鋭の女流作家コレットを始めとするフランスセレブ達を虜にしてきました。
今回は、セレブ達に愛されてきた微笑みの貴公子「シャルトリュー」の魅力と性格、飼い方や価格などをご紹介したいと思います。
目次
シャルトリューがモデルのアニメヒロインがいる!?フランスが誇る猫の性格と特徴とは
シャルトリューの魅力といえば、絹の様に滑らかな、ブルーと呼ばれる銀灰色の被毛です。
光の加減でブルーグレーにも銀色にも見えるソリッドカラー(全身単色)が美しいだけではなく、細い短めの毛が羊毛の様に密集していて触り心地抜群!
見るからにモフモフです!
さらに、フランスを原産国とする数少ない猫種であり「フランスの宝」、「生きたフランスの記念碑」という格調高い呼び名をもっています。
フランス国民から愛されていたことがうかがい知れますよね。
こんなノーブルなシャルトリューですが、日本のアニメに登場するヒロインのモデルとしても有名です。
そのアニメとは『寄宿学校のジュリエット』です!
『寄宿学校のジュリエット』、気になって見てみましたが、シャルトリュー以外でも色んな種類の猫が擬人化されていておもしろいアニメでしたよ!
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愛猫家のかたなら楽しめること間違いなし!(笑)
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ヒロインの彼女は暴姫(タイラントプリンセス)の異名を持つ美しくわがままなお姫様だそうですが、猫のシャルトリューはどうなのでしょうか?
シャルトリューの大きさ、体型、見た目の特徴は?
シャルトリューの体重は
- オスは4kg~7kg
- メスは3kg~5kg
オスのほうがずっと大きく、成長に時間も要します。
成猫として安定した体になるまでに、およそ2年かかるとされる大型の猫です。
全体的に丸みを帯びた頭部と、先に細く尖った鼻とが相まって口角が上がって見えることから「微笑みの猫」と言う二つ名も持っています。
アーモンド形の大きく、力強い瞳の色はゴールド、オレンジあるいはカッパーで、仔猫時代はキトンブルーと言う青い瞳をしていることがあります。
体型はセミコビーとされ、広い肩幅と厚みのある胸、太い首のがっしりとした胴体を、体の大きさの割に細く短い四肢で支えていて、ずんぐりとした印象を受けます。
後肢だけでバランスよく立ち上がる姿がクマに似ていることから「ベアキャット」とも呼ばれます。
このたくましい体型が「ブルー御三家」の他の二匹との大きな違いです。
「爪楊枝を刺したジャガイモ」や「マッチ棒を刺したジャガイモ」と形容されてきました。急に例えが庶民的になりましたね(笑)。
飼いやすいって本当? シャルトリューの性格
シャルトリューは初めて猫を飼う人に「パーフェクトキャット」としておすすめされる優秀な猫さんなんです。
エスプリを重んじるフランスの生まれ故か、シャルトリューは呼び名を多く持つ猫さんですが、その中の一つに「犬のような猫」があります。
こう呼ばれるのはシャルトリューがとても賢く従順だからです。
シャルル・ド・ゴール元大統領の愛猫Gris-Grisは、家の中で彼の側を離れなかったそうですよ!
もちろん個体差はありますが、冷静で洞察力に優れており、飼い主の言うことをよく理解してくれるのでしつけやすく、愛情深く我慢強いので、子どもや他の動物とのトラブルもありません。
そして滅多に鳴かない猫としても知られ、鳴き声も力強い体に似合わず小さく、か細いので、集合住宅での飼育も安心ですね。
しかし、大人しいだけかと言うとそんなことはありません。
シャルトリューはネズミをとるのが上手く「ワーキングキャット(ネズミを捕る猫)」として可愛がられた歴史をもっており、その頃のハンターの気質が今でも残っているために遊ぶのが大好きで、大きな体で活発に動き回ります。
優雅な貴族のような美しさと、やんちゃで庶民的な面をあわせ持っているんですね。
そのギャップもチャームポイントです!
シャルトリューの価格は?ブリーダーはいるの?
ここまで見てきて、こんなに魅力的な猫さんならさぞかしお高いんだろうな……と思い調べてみると、仔猫の販売価格は20~30万円といったところ。(11月13日現在)
日本のブリーダーはまだ少なく、珍しい品種ということでお値段の下限(最低価格)は高く設定されている印象ですが、血統書付の猫さんならば適正な価格でしょう。
シャルトリューの歴史
謎多き血脈
1558年にジョアシャン・デュ・ベレーの詩に、シャルトリューの祖先と思われる、灰色の被毛に銅色の瞳の猫が初めて登場しました。
1747年には絵画に珍しいペットとして女性の腕に抱かれた姿が描かれ、1756年には博物学者のビュフォンが著書「博物誌」の中でブルーカラーの猫に「フェリス・カートゥス・コエルレウス(鋭い声をもって鳴く暗青色の猫)」と学術名を付けています。
このように昔から認知されていたことがうかがえるシャルトリューですが、その起源は諸説あり、フランス原産と言うこと以外はっきりしていません。
イゼールにあるグランド・シャルトリューズ修道院の修道士(シャルトリュー)達が北アフリカ、あるいはシリアから連れ帰った猫の子孫であるとか、十字軍が連れ帰って来たとか、被毛の手触りが羊毛に似ているため、スペイン産の羊毛の名に由来する。など様々です。
リキュールのシャルトリューズと関係がある?
シャルトリューズの名前の由来として有力な説に、グランド・シャルトリューズ修道院が製造法を管理するリキュール「シャルトリューズ」があります。
不老不死の霊薬として調合されており、そのレシピは現在でも3人の修道士にしか伝授されないのだとか!
ちなみに「シャルトリューズ」にも「リキュールの女王」と言う二つ名があります。
パーフェクトキャットの由来にふさわしいですね!
(※豆知識 フェカン修道院によって生み出されたリキュールと、シャルトリューの長毛種は同じく「ベネディクティン」と言います。猫のベネディクティンは相当なレア猫さんです! 一度モフモフしてみたい……)
絶滅の危機を乗り越えた、気高くもやさしい猫
密度の高いシャルトリューの被毛はモフモフ感が格別なだけではなく水まで弾きます。
汚れにくくていいですよね。
しかし、過去にはその優れた毛皮によって彼らは絶滅寸前まで追いやられてしまったのです。
第一次世界大戦はフランス国民の生活にも深刻な影響を及ぼしました。そのためペットを手放さざるを得ない家庭が増え、多くの純血種が存続の危機に立たされました。
さらにシャルトリューの大きな体を包む、美観と機能性に優れた被毛は毛皮として人気があり高値が付いたために乱獲され、個体数が激減してしまいます。
愛好家の尽力もむなしく、第二次世界大戦時には、なんと絶滅寸前に……。
この危機を救ったのがブルターニュのベル島に住んでいたルジェ姉妹でした。
彼女達はド・ゲルヴールと言う猫牧場を興し、生き残ったシャルトリューと「ブルーのペルシャ」「ブリティッシュブルー」を交配させてフランスの宝であるシャルトリューを守ることに成功したのです。
1970年代にシャルトリューは海を渡り北米へ紹介されます。
当時のフランスではブリティッシュブルーのこともシャルトリューと呼ばれていましたが、別の品種として扱われることになりました。
シャルトリューの我慢強い性格は、苦しい環境を生き抜いてきた過去に裏打ちされているんですね。
シャルトリューの飼い方のポイント
美しい毛並を保つにはどうしたらいい?
シャルトリューの被毛は「ダブルコート」と言い、下毛と上毛の二層からなっています。
毛の長さは短いですが密度が高いため、必然的に抜け毛も多くなります。
ブラッシングでしっかりと下毛からお手入れをしてあげないと皮膚疾患になったり、猫さんがグルーミングのたびに大量の毛を飲み込んでしまって吐きやすくなったりします。
お腹の中に毛の塊ができる毛球症(もうきゅうしょう)という病気にまで発展すると開腹手術が必要なことも……。
ブラッシングはスキンシップにもなりますから、欠かさず行ってあげたいですね。
熱中症に注意!
もふもふの毛皮ゆえに、熱中症になりやすい猫さんです。
特に夏場飼い主さんが留守にする時は、空調管理に気を付けてあげなくては命に係わります。
かかりやすい遺伝性の病気がある
遺伝性の病気に「多発性嚢胞腎症」という難病があります。
嚢胞と言う液体の入った袋が、腎臓二つ共に発生し、どんどん大きくなって正常な腎臓の働きを妨げてしまい、やがて腎不全になってしまう病気です。
これはペルシャ猫と血縁関係のある猫さんに発症しやすいのですが、シャルトリューも絶滅寸前からの再起の過程でペルシャ猫と交配が行われました。
遺伝子検査で調べることが出来ます。
シャルトリューが一緒にいてくれたら、日々の生活が華やかになりそうですよね!
遺伝性の病気は交配によってリスクを減らすことが可能ですから、仔猫さんの健康を考えて繁殖を行っているブリーダーからお迎え出来ますように!