猫ちゃんの毛並みはもふもふで柔らかくて、ずっと触っていたいほどに気持ちいいですよね。
頭から顎の下を撫でてあげると機嫌がよさそうに喉を鳴らしてくれたり、背中やしっぽの付け根を撫でると嬉しそうに目を細めて甘えたように鳴いてもくれます。
ですが、撫でている手がある1か所に差し掛かった時、今までご機嫌だった猫ちゃんが突然不機嫌になったり嫌そうな表情をしてどこかに行ってしまった、という経験はありませんか?
猫飼いである私にも経験があります。
それはもう嫌そうにして、撫でていた手に嚙みついて逃げた子もいます。
そのとある1か所、猫飼いさんであればご存知かと思います。
そう、そこは『猫のお腹』です!
猫はお腹に触られることを極端に嫌うのです。
もちろん個体差はあるのでお腹を撫でられるのが好きな猫ちゃんもいると思いますが、一般的には猫はお腹を触られることを苦手としているようです。
ここでは、猫がお腹を撫でられるのが苦手な理由を猫の生態から徹底解説!
さらにお腹を撫でられるのが好きな猫に共通していることをご紹介します!
これを見ればおうちの猫ちゃんはもちろん、野良猫ちゃんもあなたにお腹を撫でさせてくれるかもしれませんよ♪
目次
猫のお腹を触ることはタブー!?3つの理由を徹底解説!
他の場所、例えば頭や顎の下を撫でられている時は気持ちよさそうなのに、何故猫はお腹を触られると途端に嫌がり怒ってしまうのでしょうか?
理由その➀:お腹が弱点だから
ひとつは『お腹が弱点だから』というのが挙げられます。
これはどの動物、私達人間にも言えることですが、腹部には生きていく上で欠かせない内臓がたくさんありますよね。
天敵に狙われれば大ケガをしたり死に至ったりとダメージが大きい部分です。
無防備なそこをむやみに触らせてしまうことは自分にとってダメージを与えられることになりかねないと本能でわかっているのです。
理由その②:飼い主がしつこく触ってくるから
猫はマイペースで自由気ままな性格をしています。
甘えている時や遊んでほしい時には気まぐれにお腹に触らせてくれることもあるかもしれませんが、自分が満足すると「もういいや、満足した~」とどこかに行ってしまいます。
そこに飼い主さんがさらにしつこくお腹を触ってきたりすると「うっとおしいなあ」と怒ることもあるでしょう。
ストレスを感じないように生きる猫ですから、飼い主さんの行動にストレスを感じた時は当然のことながらそれを回避しているのです。
理由その③:気を許した相手ではないから
野良猫であれば、まずお腹は触らせてはもらえません。
それは飼い主でもなければごはんをくれる見知った人でもない、猫にとって信頼に値しない相手だからです。
たとえ飼い主であっても、自分以外の家族にはお腹を撫でさせてくれないこともあります。
その人を信頼しているかしていないかで、自分の急所であるお腹を触らせていい人かどうかを判断しているのです。
猫のお腹を触る時の注意点とは?
飼い主さんであれば一度は「できるだけ、もう少し長く触っていたい…」と思うであろうお腹のもふもふ。
どうしたら少しでも長く触らせてもらえるでしょうか?
お腹を触る時の注意点を、猫がストレスを感じない方法をふまえてご紹介いたします!
触る前に猫の様子を観察する
お腹に限らず、猫を撫でる前にまず猫の機嫌や体調をよく観察することです。
機嫌が悪い時に手を出すと飼い主さんがケガをしてしまう可能性もありますし、何より猫にとって大きなストレスになります。
体調が悪い時も同じです。
私達も体調が悪い時にまわりで騒がれたりするとイラッとしますよね。
猫は言葉を話せないので、「うっとうしい!」とひっかいてしまうこともあるかもしれません。
甘えていたり遊んでほしい時は自分からコロンと寝っ転がってお腹を見せてくれますので、そういう時はお腹タッチがオッケーな時と覚えておきましょう。
触っている途中で嫌がる素振りを見せたらすぐにやめる
いざ触り始めても途中で嫌がる素振りを見せたらすぐに猫から手を離してください。
猫は気まぐれな生き物ですので、急に不機嫌になったりすると撫でられていることもうっとうしくなってしまいます。
撫でられたくない時のサインとしては、『唸り声をあげる』、『耳を後ろにペタンと伏せている』『しっぽを激しくパタパタしている』等があります。
これらの様子が見られたらすぐに猫から手を離してください。
すぐに逃げる場合がほとんどですが、ひっかかれたり噛みつかれたりすることもありますので注意が必要です。
猫が喜ぶ触り方をする
せっかく撫でているのなら猫にも喜んでもらいたいですよね。
次の2つをマスターすれば、きっとあなたの猫ちゃんも喜んで撫でさせてくれるでしょう。
- 逆撫ではせず、毛並みにそって撫でる
- 激しく撫でずに優しく、指が毛並みに埋まるくらいの強さで撫でる
個性や撫でる場所によって強弱は変わると思いますが、お腹はどの猫にとってもデリケートな場所なので、より優しい撫で方をしてあげると「もっと撫でて〜」と甘えてきてくれるでしょう。
触っているついでにお腹に病気の兆候がないかチェックする
猫は自分の病気を隠しがちです。
お腹を撫でる機会があったら、その都度お腹に病気の兆候が出ていないかをチェックしてあげることをオススメします。
- 毛並みや皮膚の状態 … ツヤは健康的か、皮膚病の兆候はないか
- 腹部のしこりの有無 … 触っていて固いところはあるか
- 乳房や乳首の異常 … メス猫で授乳中以外の時に乳房や乳首が腫れていないか
- 下腹部の異常な膨らみ … 下腹部に皮膚ではない異常な膨らみはあるか …etc.
病気の早期発見、ひいては猫の命を救うことに繋がりますので、お腹を触る機会があった時はぜひチェックをしてみましょう。
お腹タッチは猫と飼い主の信頼関係の証
どの動物にとってもお腹はウィークポイントですが、警戒心の強い猫にとってはよりその意識が強くあります。
「でもうちの猫はよくお腹を撫でさせてくれる」という飼い主さんもいらっしゃることでしょう。
猫は信頼していない人間には自分のお腹どころか体すら触らせません。
猫がお腹を撫でさせるという行為は、その飼い主さんを信頼しているからこそなのです。
飼い主さんのそばが安心できる場所で、飼い主さんを愛しているからこそ。
ごはんやおやつをくれて、叱られてもめいっぱい甘やかしてくれて、「いい子だね」、「可愛いね」と可愛がってくれる飼い主さんが大好きでたまらないのです。
我が家の猫はお腹どころかいろいろな場所を触らせてくれる子もいれば、ひっかいて逃げてしまって触らせてくれない子もいます。
触らせてくれない、と落ち込むこともありますが、寝る時は絶対私のそばにいることから信頼されていないわけじゃないんだろうなあ、と思っています。
撫でさせてくれるわけではないけれど、その子なりの精一杯の愛情表現なのでしょうね。
お腹タッチは猫と飼い主さんの信頼関係があればこそできることです。
触らせてもらえていない飼い主さんはまず猫ちゃんとの信頼関係を作るところから始めてみましょう。
信頼関係を作っていくことで、いつかきっと猫ちゃんの方からコロンと寝っ転がってお腹を見せてくれる時がくるかもしれませんよ♪