王族の飼う高貴な猫として有名なシャム猫。
その凛としたたたずまいは多くの猫好きさんを惹きつけてやみません。
美しいブルーの瞳と顔や足先、尻尾に現れる「ポイント」と呼ばれる濃い毛色が特徴の美しい猫種ですよね!
今回は、シャム猫の起源や特徴、子猫のお値段まで、徹底解説します!
目次
シャムという言葉の意味は?種の起源と歴史
さて、まず初めに「シャム」という名前の語源と猫種の起源についてみていきましょう!
シャムってなんのこと?
シャム猫の名前の起源となったSiam(シャム・英語の発音はサイアム)とは、実は東南アジアのタイ王国の旧称だとご存知でしたか?
1855年にイギリスータイ間でボーリング条約が結ばれたときから正式な国名となり、第二次大戦後の1949年に最終的にタイとなるまで使われた国の名前なんです。
(1939~1945年は「タイ」、1945~1949年まで「シャム」)
国名となったのは1855年ですが、それ以前の古地図にもSiamという言葉は使われているので、古くからこの地域の名称として浸透していたと考えられます。
シャム猫の起源はタイ!高貴な猫と呼ばれるのはなぜ?
シャム猫、と呼ぶのは実は日本独特。
英語ではSiamese、サイアミーズと発音されます。
シャム猫の起源は古く、古来からタイでは王族や貴族、高僧などの高貴な身分の人々のみが飼えるとされた猫だったそうです。
なんとタイでは、旅に出る僧侶がシャム猫に仏様の警護を言いつけ、飲まず食わずでじっと仏像の前で待っていたから顔が黒くなった、という伝承があるほど。
西洋に持ち帰られたのは記録上1884年、イギリス人の役人が赴任先のタイを去るときに連れ帰り、本国で愛猫家たちに披露されたとされています。
日本に初めて輸入されたのはなんと明治の中期!
100年もの歴史のある、世界でも代表的な猫種なんですね~。
西洋に渡って繁殖が始められてから、二度の世界大戦で大幅に数を減らす危機もありましたが、戦後雑種との交配なども積極的におこなわれて現在に至ります。
シャム(サイアミーズ)は現在、CFA ・ TICA ・ FIFe ・ GCCという欧米の代表的な4団体すべてが公認している由緒正しい純血種なんです!
シャム猫の特徴はやっぱりポイントカラー!でも子猫は真っ白?
次に、シャム猫の身体的特徴とその性格を解説していきます!
シャム猫の顔はどうして黒いの?体の特徴と遺伝子について
シャムの特徴といえば、やはりその美しいブルーの目と、顔や手足の先に現れる濃い色のポイントですよね!
短毛で、その体型はすらりと細身の手足と尻尾、顔はV字型(逆三角)で大きな耳を持ちます。
オリエンタルタイプという、猫の体型の中でも一番スレンダーな体型に分類されます。
体に現れるポイント(アクセントカラー)は、色の濃い順にシール→チョコレート→ブルー→ライアックポイントの4種類に分けられます。
シャム猫と聞いてよく想像するのは濃い色のシールポイントやチョコレートポイントのお顔ですね!
ブルーポイントはロシアンブルーのような青みがかったグレーで、ライアックポイントは更に薄いグレー。
シャムの中でも特に珍しい毛色です。
純血のシャム猫は「サイアミーズ遺伝子」をもちます。
これがなんと、体温の高い箇所を真っ白にし、低い箇所では働かずに色のついた毛が生えてくるというメカニズムなんだそうです。
いわれてみればシャム猫の赤ちゃんは真っ白で、成長とともにポイントが濃くなっていきます。
「サイアミーズ遺伝子」が、お母さんの体内から高い体温で産まれたばかりの子猫を真っ白にし、成猫になるにつれて顔や手足、尻尾といった冷えやすい箇所が色づいてくるという特徴を生み出していたんですね!
また、シャムは純血種の中でも様々な病気のリスクが高い猫種といえます。
悪性リンパ腫や子宮蓄膿症など恐ろしい疾患も、他の猫種より発病率が高いことも分かっています。
これらの病気は早期発見が一番大事。
定期的な検診は欠かさず、普段からも愛猫の様子をしっかり観察してあげたいですね!
シャム猫の性格はわがままで甘えん坊!?
そんなシャム猫、性格はどんな子が多いのでしょう。
「高貴な」とか、「身分の高い」というキーワードがついてくるシャム猫。
見た目もすらりとした体型に色の濃い顔は、凛とした、というか、ツンとした印象を与えることもありますね。
そんなシャムの性格はというと・・
結構わがままな上に甘えん坊!
これは・・
猫さんのお世話をして差し上げたいという猫奴隷の皆様にはぴったりではないですか(笑)
最初は警戒心が強めですが、慣れてくるとどんどん甘えてきます。
そして、飼い主さんとして信頼してくれた後は、かまってちゃんになります!(笑)
飼い主さんがしっかり自分に注目してくれなかったりすると、すねてイタズラをしたり逆に無視してみたり。
独占欲だったり自己顕示欲が割と強めの猫種なんですね~。
もちろん個体差はありますよ!
猫さんに振り回されたい!という猫好きさんにはたまらない性格ではないでしょうか?
細身ですが意外と筋肉質で身体を動かすことが好きなので、おもちゃなどでどんどん遊んであげてください!
また、シャム猫はもともとおしゃべりな猫といわれます。
うにゃうにゃと独り言をいったり、なにか欲しいものがあると大きな声で鳴いて主張する子もいますので、にぎやかでいいよ~っという人には最適です。
シャム猫を飼うには?里親募集はある?子猫の値段はいくら?
そんなシャム猫を飼うにはどこで見つけられるのでしょうか。
里親募集
実はシャムの血というのは繁殖力がとても高く、日本でも多くの雑種猫でシャムの血を持っている子たちがいるといわれます。
里親募集のサイトを見てみても、驚くほどたくさんの「シャム系ミックス」とか「シャム風」という里子猫ちゃんが掲載されています。
これらの子には血統書はないかもしれませんが、見た目はほとんどシャム猫。
目がサファイアブルーでなかったり、ポイントが薄かったりと、逆に個性的な子がいます。
純血でなくてもポイントカラーがしっかり現れているシャム系猫さんはたくさんいるので、気になる子を探してみるのもいいかもしれませんね!
ペットショップ/ブリーダー
血統にこだわるのであれば、やっぱり入手先はペットショップかブリーダーさんですよね。
実はシャム猫、一昔前と比べて日本国内では人気が下降気味なんだそうです。
というよりは、よりおっとり穏やかな性格といわれるスコティッシュフォールドや、子どものいる家庭にも向いているアメショーなどの猫種の人気が高く、相対的に需要が下がっているみたいです。
ペットショップが力を入れているのはスコティッシュやマンチカンなどの最近の人気種やアメショー、ブリティッシュショートヘアといった根強い人気の種。
あまりシャム猫見かけないなぁ、という感覚は間違いではないようですね。
それでも扱っているブリーダーさんはまだまだいるので、探すのはそこまで難しくはないと思います。
相場もブリーダーさんから直接なら10~16万円、ペットショップなら13~20万円くらいです。
他の人気の猫種が30~40万円だったりすることも考えれば、由緒正しく高貴な猫さんのお値段だとは信じられませんね!
いかがでしたか?
すらりと美しい高貴な猫、シャム。
少し生意気でわがままな性格は、ツンデレ猫さん好きにはたまらないですよ!