日本でペット動物の殺処分がなくならないワケ・・海外ではどう?

あなたは日本で年間どのくらいのペット(犬・猫)が殺処分されているかご存知ですか?

そして、ペット先進国と言われるヨーロッパの実情はご存知ですか?

今回は、日本のペット殺処分の現状と、ヨーロッパの国の取り組みについてご紹介します!

日本でのペット・動物の殺処分の現状とは?

日本で年間どのくらいのペットが殺処分されているか。

昨年12月に、平成29年度の殺処分数が環境省から発表されました。

その数、43,216匹です。

(犬が約8,300匹、猫は35,000匹)

そんなに!!と衝撃を受けるかもしれませんが、実は5万匹より少なかったのは一昨年が初めて。

平成元年の殺処分が実に100万を超えていた事を考えると、この平成の30年の間に約20分の1に減ったことになるんです。

5万匹の命でもとても重いですが、100万匹って想像がつきませんよね・・

譲渡されたり返還されたりするケースが飛躍的に伸びているので、殺処分率(保護された犬・猫がそのまま殺処分される割合)も平成元年の約97%から一昨年は43%と、半分以下になっています。

それでも逆を言えば、今も保護されたペットの半数近くは殺処分されているというのが現状なんですね。

平成の時代にペットの殺処分数が大幅に減ったのは、いくつか要因があると思います。

一番大きいのは、動物愛護団体やボランティア団体、地域のコミュニティなどで保護活動が活発になってきたことでしょう。

地域の野良猫の繁殖を抑えるためのTNR(一時的に保護して不妊/去勢手術後もとの地域に返す運動)も、この数年で一気に知られてきましたよね。

インターネットの普及とSNSが当たり前になったことで、他の地域・国の取り組みを見る機会が増えたこともその原動力になったのでしょう!

そして、行政・保健所の方でも積極的に譲渡会を開いたり情報公開をするところが増えて来ているように思います。

以前の様に受け身ではなく、少しずつ積極的に殺処分を減らす目的で行政が動いてくれているケースを聞くと少し希望がもてますよね。

ヨーロッパにおける動物愛護とは?

一方、動物愛護の先進国が多いヨーロッパの事例を少し紹介します。

ヨーロッパの中でもトップの動物愛護先進国はやっぱりドイツでしょうか。

ティアハイムというペット動物の保護施設が全国500施設以上あります。

これらは税金からくる行政の補助金はあてにせず、ほとんどが国民や企業の寄付によって成り立っているそうなので、どれだけ国民レベルで動物愛護精神が根付いているかが分かりますね。

ドイツの動物愛護法にあたる法律で殺処分が禁止されているため、このティアハイムも目的は保護。

ぱっと見ペットホテルや猫カフェのような清潔な施設で、引き取り手が決まるまで職員やボランティアによって手厚く飼育されているんです。

加えて、ドイツでは原則生体販売も禁止されています。

そう、ペットショップがないんです。

そこで犬や猫を飼いたいドイツの人はどうするか、というと、ブリーダーから・知り合いから・ティアハイムから、という3択の入手方法となるんです。

ブリーダーも日本のような登録制ではなく審査を経ての許可制なので、劣悪な大量生産目的のような悪徳業者が現れにくい構造です。

一方でドイツには「狩猟法」という法律があり、地域によって犬・猫も狩猟法に基づいて合法的に駆除の対象となっているという事実はぜひ知っておいて頂きたいですね!

殺処分はゼロですが、狩猟によって「駆除」される命は少なからずあるのです。

ペットの殺処分をゼロに近づけるには!今わたしたちに必要なこと

今の日本の現状では、決して健全とはいえないペットショップや悪徳ブリーダーが子犬・子猫を流通させ続ける構図がなくなりません。

イメージ的には、

ドイツでは生体販売を禁止することで、手放さなければならない人とほしい人の間をペットが循環しているような感じ。

一方日本では生体販売業者がスタート地点となって、蛇口から水が流れるように大切な命がこぼれ落ちていってしまっているんです。

もちろんペットショップやブリーダーも立派な職業ですから、それを貶めたり攻撃する必要はありません。

愛情をもって犬・猫を取り扱っている業者がほとんどだと思います。

だからこそ、法律での規制で飼育環境や繁殖環境をしっかり規制してあげることで悪徳な業者が締め出されるような環境整備が必要なんだと思います。

日本の動物愛護法は、おおむね5年に1度改正されている主にペットたちに関する取り扱い規則などを定めた法律です。

2018年が改正のタイミングだったのですが、国会での検討が遅れたため今年2019年の通常国会にて改正される予定だそうです。

前回の改正では、「終生飼育」が飼い主の義務だと明記され、繰り返し保健所にペットをつれてくるような飼い主や、売れ残ったと思われる子たちをつれてくる業者からの引き取りを自治体の判断で拒否できることになりました。

一方で、動物取扱業者の査察などにあたってはいまだに具体的な数値の設定が不十分なんです。

(例えば1匹につきどのくらいの飼育スペースが必要か、とか、繁殖回数の制限、スタッフの数と取扱う個体数の割合など)

当然具体的なルールがないんですから、どこからが不適切で虐待にあたるのかは行政も業者もあいまいです。

これではいくら罰則を厳しくしたとしても行政指導なんてできませんよね。

また、いくら法律を整備しても、結局一番大事なのはやっぱりわたしたち動物好き一人ひとりの意識です。

個人的には、海外でのある一面だけを取り上げて、例えば「殺処分ゼロのドイツはすごい!日本は遅れてるから見習わないと恥ずかしい!」みたいな、0か100か的な論調は好きじゃありません。

先ほど紹介した「狩猟法」のようにドイツにもどこの国にも「え、それはいいの?」と感じる側面はあるんです。

海外を過剰に美化して日本を卑下したりする必要はまったくなくて、それぞれのやり方から何を学んで、どう日本の社会や国民性にあった形に変えられるかなんですよね。

そういう意味で今本当にわたしたちに必要なのは、動物愛護の動きに参加する意識。

そして、すでに活動している人たちに必要なのは、これから一緒に考えたいという人たちを受け入れる寛容さではないでしょうか。

(あんまり主張が過激すぎるとわたしのようなイチ猫好きなんかは敷居が高いと感じちゃいますから・・)

個人、団体、官民、世代を問わず、どれだけ一つの大きなうねりになって国全体の動物愛護意識を高めていけるか。

そのために今わたしには何ができるのか。

あなたもぜひ一緒に考えていきませんか?