私たちの周りに身近に存在している犬や猫といった動物たち。
外を歩けば飼っている犬を散歩させている人を見たり、野良猫がまったり日向ぼっこをして過ごしていたりする光景をよく見ます。
昔に比べて、犬や猫などのペットを飼う人の数は年々増えているそうです。
愛らしい姿をたくさん見せてくれる動物たちは、見ているだけでとても癒されますよね。
日本以上に動物たちの存在を身近に感じることができる国は、世界にもたくさん存在しています。
その中でも今回は、ペット先進国と呼ばれるドイツで過ごすペットたちについてご紹介します。
ドイツにはペットショップがない!?
ドイツではペットを陳列して販売してはいけないと定められています。
そのため、日本のようにショーケースに動物たちを並べて販売するようなペットショップは存在していないそうです。
もしもドイツでペットを購入したいと思ったら、ブリーダーなどに予約をして譲り受けたり、里親から引き取ったりするといった形になります。
これは、買い手に対するペットの衝動買いを防ぐためだと言われています。
例えば日本では、たまたま買い物に行った先にペットショップがあるということがよくあります。
その時にペットを購入するつもりがなくても、お店で陳列されている小さな動物たちを見ると、「かわいいな」、「飼いたいな」という思いが生まれます。
この瞬間的な思いで衝動的に動物を買ってしまう人も多いでしょう。
多くの人はその後も購入した動物を家族の一員として大事に飼われると思いますが、中には、「ペットを飼うのがこんなに大変だとは思わなかった」と言って、動物を手放してしまう人もいます。
衝動的な購入により、動物たちが不幸になってしまうこともあるのです。
しかし、ドイツにはペットショップがありませんので、衝動的な購入をしてしまう可能性はグッと減ります。
また、ペットを購入する前にブリーダーなどに予約をすることで、金銭目的の繁殖も行われません。
そのため、売れ残ってしまい、行き場のなくなる可哀想なペットたちはほとんどいないでしょう。
ドイツでは、動物たちをお金でやり取りする販売品として見ることなく、人間と同様に一つの命として大事に扱っているのです。
ドイツの街中ではペット同伴可能な場所がとても多い!
ドイツを歩くと、日本以上に犬を連れている人が多いことに驚くと言います。
なぜなら、街中でペットと一緒に過ごせる場所が、ドイツでは圧倒的に多いのです。
例えば、ドイツでは犬と一緒に電車やバスに乗れます。
ドイツ以外の周辺諸国でも犬と一緒に電車に乗れるところは多いそうです。
電車に乗る犬たちは、キャリーなどに入っているのではなく、リードに繋がれたままの状態です。
そして犬たちは電車に乗っている間に「わんわん!」と周囲に吠えることなく、じっとおとなしくしているそうです。
また、ドイツでは、飲食店は基本的にペットが同伴可能だそうです。
ペット同伴可能なお店では、日本のようにドッグカフェやテラス席だけといった限定的な利用に限らず、店内にも自由に犬を連れていけます。
飼い主たちが食事を楽しんでいる間、どんなにごはんの美味しそうなニオイが漂ってきても、犬たちは動じずに待つことができるそうです。
ドイツの人たちが日頃からしつけをしっかり行っていることが伺えますね。
ドイツでは、犬を飼っている人はドッグスクールに通って、犬のしつけを徹底的に行う人が多いそうです。
特に犬のしつけについて法律で定められてはいないそうですが、ドイツの人にとって犬を飼うことは当然犬をしつけることだという図式が成り立っているのでしょうね。
ドイツの猫たちは自由に外を歩いている?
街中で犬を連れている人を多く見掛けるので、ドイツでは犬を飼っている人が多いイメージですが、実はペットとして猫が一番多く飼われています。
ドイツで猫を飼っている人たちは、完全室内飼いの家と、外にも自由に出られる家と、半々の割合だそうです。
後者の家では家に猫用ドアを取り付けているので、猫たちが自由に外を出入りできるようになっています。
日本では猫を室内飼いしている家が多いので、その自由な飼い方には驚きですね。
また、ドイツ中西部に位置するPaderborn(パーダーボルン)という都市で、2008年9月に「外に出る可能性のある全ての飼い猫(5ヶ月以上)に、マイクロチップの挿入、避妊・去勢手術を義務づける条例」が制定されました。
犬に比べて猫は条例などの整備が遅れていたため、これは大きな動きになったそうです。
その後、Paderbornに続く形で、2014年7月までにおよそ250の他の都市でも同様の条例が施行されることとなりました。
日本でもそうですが、猫が外に出ると家に帰ってこられずに行方不明になってしまうことがあります。
そういった時にマイクロチップを挿入していたおかげで、迷い猫が見つかりやすくなったり、飼い猫であることが判明して保護されやすくなったりしますので、迷子にならないように対策しておくのは大事ですね。
同様に、外に出ると他の猫と遭遇して繁殖する可能性は大いにあります。
生まれてきた子猫が野良猫になると、周辺地域に糞尿被害の影響を与えたり、車に轢かれてしまったりしてしまいます。
生まれてきた子猫たちを全て保護できればいいのですが、それもなかなか難しいでしょう。
そのため、外に出る猫たちにはあらかじめ去勢・避妊手術を行っておくことで、可哀想な猫たちを少なくさせることができるのです。
ドイツの条例を見習って、日本でも可哀想な猫が増えないような対策を積極的に行っていきたいですね。
ドイツには殺処分が存在しない
日本では動物たちの殺処分ゼロを目指して、多くの自治体や保護活動をしている団体の方の力によりその数は減少傾向にありますが、現在も多くの動物たちが殺処分されています。
しかし、ドイツでは動物の殺処分が行われていないそうなのです。
殺処分対象となってしまう野良猫や、どうしても飼えなくなってしまった動物たちは、『ティアハイム』というペットの保護施設で保護されます。
この施設に保護された動物たちは、新しい飼い主と出会えるのを待つことができ、もしも飼い主と出会えなくても最後までこの施設で過ごすことができるそうです。
こういった保護施設はドイツにはいくつもあるそうで、会員の人が年会費を納めたり、募金などの寄付金によって運営されているそうです。
こうした保護施設の存在や、条例を定めて犬・猫たちの安全を守ったりするなど、ドイツでは国全体が動物を保護しようとする動きがあります。
そのため、小さな命は守り続けられて、ペット先進国と呼ばれているのですね。
ドイツの人たちの動物に対する深い愛情を、今回の記事を通して多くの方にお伝えできていれば嬉しいです。